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ぎんなんってどんな食べ物?
ぎんなんは秋の代表的な味覚のひとつですが、どのような食材かご存じでしょうか。ぎんなんを食べる時に知っていると便利な豆知識をご紹介します。
古くから存在する「生きた化石」
ぎんなんは、日本では街路樹としても親しまれている「イチョウ」の種子です。ぎんなんもイチョウも、どちらも漢字では「銀杏」と書きます。
イチョウは、1億年以上も昔から存在しており、「生きた化石」と呼ばれることもある植物です。その種子であるぎんなんも、古くから食用として利用されています。
ぎんなんは「イチョウの実」といわれることもありますが、食べているのは果肉の内側にある白い殻の中身(胚乳)です。熱すると鮮やかな緑色になることから、料理の彩りとしてもよく使われます。
また、独特の歯ごたえと風味を持ち、おつまみとしても人気が高い食材です。
旬は秋
ぎんなん自体は日本各地で生産されていますが、産地としては愛知県や新潟県、福岡県などが有名です。
品種によって若干時期は変わるものの、9~11月頃に旬を迎えます。地域によっては、旬になるとぎんなん拾いを楽しむことも可能です。
ぎんなんに含まれる栄養素
ぎんなんの魅力でもあるモチモチとした食感は、含まれているでんぷんによるものです。でんぷん以外にも、カリウムやマグネシウム、鉄、β-カロテン(ビタミンA)、葉酸といった栄養素を含んでいます。※
食べ過ぎには要注意
モチモチした食感とほろ苦い味わいを持ち、おつまみとしても人気が高いぎんなんですが、食べ過ぎには注意が必要です。ぎんなんには「4-O-メチルピリドキシン」という有毒成分が含まれているため、食べ過ぎると嘔吐や下痢、けいれん、呼吸困難といった症状が出る恐れがあります。
症状が出る量は個人差があるため、「1日何個まで食べて良い」と一概にいうことはできませんが、子どもに食べさせる際は特に注意が必要です。
おいしいぎんなんの選び方
ぎんなんをおいしく食べるには、鮮度の良いものを選ぶことが大切です。市販のぎんなんを購入する時は、以下の特徴をチェックしてみてください。
おいしいぎんなんの選び方
・殻は白くツヤがある
・振った時に音がせず、実が詰まっている
・殻に走る線を縦にして、左右に張りがある
殻が黒ずんでいるものは鮮度が落ちているので、避けた方が良いでしょう。
また、殻がむかれている時は、ぎんなんの色に注目してみてください。時間が経っていないものほど淡い緑色(翡翠色)をしていますが、時間の経過に従って黄色に変色します。
ぎんなんを長持ちさせる保存方法は?
前述のとおり、ぎんなんは食べ過ぎると中毒症状が出る恐れがあるため、一度に消費するのが難しい食材です。たくさん手に入れたのは良いものの、使い切れずに余ってしまうこともあるでしょう。ぎんなんを長持ちさせるには、正しい保存方法を知っておくことが大切です。
殻付きの場合と、殻をむいた場合に分けて、ぎんなんの保存方法をご紹介します。
殻付きの場合
殻付きのぎんなんは、紙袋や新聞紙などに包んでおけば、冷暗所で常温保存できます。室内の温度が高い時は、冷蔵庫の野菜室で保存しておきましょう。
殻付きの場合、常温で2週間ほど、野菜室に入れておけば数カ月は保存できます。
保存性に優れているとはいえ、時間が経つほど風味は落ちてしまいます。できるだけ早めに食べ切るのがおすすめです。
殻をむいた場合
殻をむいて下処理を済ませたぎんなんは、殻付きのものに比べると劣化が早いです。冷蔵で1週間程度を目安にして、できるだけ早めに食べ切ってください。
すぐに使い切るのが難しい時は、塩茹でしたぎんなんを小分けにしてラップで包み、保存容器に入れて冷凍するのがおすすめです。
冷凍しておけば、殻をむいた状態でも2カ月ほどは鮮度を保つことができます。
冷凍したぎんなんを料理に使う時は、凍ったまま茹でたり、炒めたりすると良いでしょう。
ぎんなんをおいしく食べる下ごしらえのコツ
市販のぎんなんは殻付きで売られていることが多いため、食べる前に下ごしらえが必要です。
殻をペンチやキッチンバサミなどで割って中身を取り出してから、茹でたり、素揚げにしたり、炒めたりして食べるようにしましょう。
また、殻付きのぎんなんを袋に入れて電子レンジで加熱したり、フライパンでいったりする方法でも問題ありません。ぎんなんが爆発する恐れがあるため、加熱する前に必ず殻に割れ目を入れておくのがポイントです。
電子レンジで加熱する時は、割れ目を入れるだけでなく、袋の口も閉じておくことをおすすめします。
秋ならではの風味を楽しもう
ぎんなんは、秋の代表的な味覚のひとつです。モチモチとした独特の食感やほろ苦い風味は、料理のアクセントとして楽しめます。
ただし、ぎんなん中毒に陥る恐れがあるため、おいしいからといって食べ過ぎるのは厳禁です。ご紹介した保存方法や下ごしらえの方法を参考に、秋ならではの風味を適量楽しんでみてはいかがでしょうか。
イチョウの葉が鮮やかな黄色に色づく秋は、ぎんなん(銀杏)もおいしくなる季節です。茶わん蒸しに入れたり、素揚げや茹でたものに塩をまぶしたりして、秋ならではのほろ苦い風味を楽しむことができます。
しかし、ぎんなんは一度にたくさん食べられる食材ではありません。大量に手に入れたのは良いものの、使い切れずに余ってしまうこともあるでしょう。
ここでは、秋を代表する味覚のぎんなんに含まれている栄養や保存のコツ、食べる前の下ごしらえの方法などをご紹介します。