目次
にんじんの基礎知識
にんじんは、スーパーで1年中買うことができる身近な野菜のひとつです。
ここでは、身近なにんじんをより楽しむために覚えておきたい、種類ごとの違いや旬の時期などについてご紹介します。
にんじん(人参)の名前の由来
にんじんは、セリ科ニンジン属に分類される野菜です。セリやパセリ、セロリといった野菜の仲間で、原産地は中東のアフガニスタン付近とされています。西洋系と東洋系に大きく分けられ、日本には東洋系が16~17世紀頃(江戸時代)、西洋系が19世紀に伝わりました。
もともと日本でにんじんと呼ばれていたのは、漢方薬としても有名な「朝鮮人参(高麗人参・オタネニンジン)」でした。根が分かれている様子が人の形に見えるため、「人参」と名付けられたとされています。
当初は野菜のにんじんは「せりにんじん」と呼ばれていましたが、一般に普及するに伴い、せりにんじんが「にんじん」、漢方薬で使われるにんじんが「高麗人参」と呼ばれるようになりました。
また、にんじんに含まれるβ-カロテンは、にんじんの英名であるCarrot(キャロット)が名前の由来です。β‐カロテン以外にも、カリウムや葉酸、食物繊維など、さまざまな栄養素を含みます。※
※参照:文部科学省 「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
さまざまな種類があるにんじん
にんじんは、西洋系と東洋系に大きく分けられます。現在、日本で主に流通しているオレンジ色のにんじんは西洋系です。
代表的なにんじんの種類としては、以下が挙げられます。
五寸にんじん
スーパーで見かけるにんじんの多くが、西洋系の五寸にんじんです。名前のとおり五寸(約15cm)ほどの長さで、オレンジ色の見た目をしています。クセが少なく、サラダや煮物など、さまざまな料理でおいしく食べられるのが魅力です。
ミニキャロット
五寸にんじんに比べるとサイズが小さいのが特徴です。柔らかく皮が薄いので、皮をむかずに食べられます。家庭菜園用の品種としても人気です。
金時にんじん
東洋系の品種で、京にんじんと呼ばれることもあります。甘みがあり、にんじん特有のにおいも少ないのが特徴です。煮物や揚げ物に適していて、西日本ではおせち料理によく使われます。
琉球にんじん
東洋系の品種で、京にんじんと呼ばれることもあります。甘みがあり、にんじん特有のにおいも少ないのが特徴です。煮物や揚げ物に適していて、西日本ではおせち料理によく使われます。
紫にんじん
紫色のにんじんの総称です。中も紫色のものや、皮だけ紫色のものなど、品種による違いがあります。
にんじんをおいしく食べられる時期は?
品種にもよりますが、一般的に出回っている五寸にんじんの旬は9~12月頃です。
ただし、春に収穫される春夏にんじんや、秋に収穫される秋にんじんなど、品種や産地を変えて生産されているので、1年間通して購入することができます。
旬のにんじんは寒さで凍るのを防ぐために、糖を蓄えるとされています。そのため、旬のにんじんは甘みが強く、柔らかいのが特徴です。
新鮮なにんじんの見分け方
にんじんをおいしく食べるには、新鮮なものを選ぶことが大切です。新鮮なにんじんの特徴を覚えておきましょう。
新鮮なにんじんの特徴
・表面に割れがなく滑らかで、ハリやツヤがある
・全体的に濃く鮮やかな色をしている
・葉が緑色でいきいきとしている(葉付きの場合)
茎の切り口の部分は細いほどにんじんが柔らかく、おいしく食べることができます。
切り口が茶色に変色しているものは、収穫から日にちが経っているので避けた方が良いでしょう。
余ったにんじんは上手に保存しよう
にんじんを特売日にたくさん買ったのは良いものの、使い切れずに余らせてしまうこともあるはずです。すぐに使う予定のないにんじんは、どのように保存すれば良いのでしょうか。
にんじんの保存方法を、常温、冷蔵、冷凍の3つに分けてご紹介します。
常温保存する方法
気温が低い冬場は、にんじんを常温で保存できます。きれいに洗ったにんじんを、新聞紙やキッチンペーパーで1本ずつ包んだら、冷暗所に保存しましょう。
傷む原因になるので、水分はしっかりと拭き取るのがポイントです。土付きのにんじんは、洗わずにそのまま新聞紙で包んで保存してください。常温保存の場合、1週間ほど保存することができます。
ただし、常温保存できるのは秋や冬の寒い季節に限ります。気温の高い季節は傷みやすくなるので、冷蔵保存を行いましょう。
また、プランターや庭がある場合は、土に埋めて保存する方法もおすすめです。土に埋めた場合、2ヶ月ほど保存することができます。
冷蔵する方法
正しい方法で冷蔵すれば、にんじんは約2~3週間保存することができます。にんじんを冷蔵する際の手順は、以下のとおりです。
にんじんを冷蔵する手順
1.にんじんをきれいに洗う
2.水分をしっかりと拭き取ってから新聞紙やキッチンペーパーで包む
3.ポリ袋や保存容器に入れて、冷蔵庫の野菜室に立てた状態で保存する
使いかけのにんじんは、ラップで包んでから野菜室に入れましょう。断面から劣化が進むので、ぴったりとラップを密着させるのがポイントです。
カット後のものは傷みやすいので、3日ほどを目安に、できるだけ早めに使い切ることを心がけてください。
冷凍する方法
カットしたものを長持ちさせたい場合は、冷凍するのがおすすめです。保存期間を1ヶ月ほどに延ばすことができます。
冷凍したにんじんは、解凍せずにそのまま調理に使うことができます。火が通りやすいので、炒め物や煮物、スープといった加熱料理に使うのがおすすめです。大きめにカットすると筋っぽい食感が気になる場合があるので、薄くカットするのがポイントです。
にんじんの冷凍方法については、以下の記事も併せてご参照ください。
⇒人参(にんじん)は冷凍できる? 食感を残して冷凍するコツ
https://igc.co.jp/shop/pg/171/
にんじんを使った定番料理
にんじんは世界中で食べられている食材なので、和洋中さまざまな料理で使うことができる便利な食材です。サラダや肉じゃが、きんぴらごぼう、筑前煮など、さまざまな料理でおいしく食べることができます。
千切りにしたにんじんと炒り卵で作る「にんじんしりしり」や、ツヤが出るようにバターと砂糖で煮る「グラッセ」などもにんじん料理の定番です。
旬のにんじんは甘みがあるので、シンプルな味付けにすると、おいしく食べることができます。
知識を深めてにんじんをおいしく味わおう
1年中手に入れやすく、さまざまな料理でおいしく食べられるにんじんは、食卓に欠かせない野菜のひとつです。
そのままでもおいしいですが、旬の時期や種類ごとの違い、新鮮なにんじんの選び方などを知っておけば、よりおいしく食べられるでしょう。
比較的日持ちしやすい野菜ではあるものの、一度カットするとすぐに劣化してしまいます。冷蔵や冷凍を賢く使い分けることが、長持ちさせるためのポイントです。
ご紹介した知識を参考に、にんじんをおいしく味わいましょう。
にんじんは、ステーキの付け合わせやサラダ、炒め物など、さまざまな料理で活躍する緑黄色野菜です。鮮やかな色で彩りになることから、お弁当に入れるおかずとしても重宝します。
身近な食材ですが、具体的にどのような野菜なのかご存じない方も多いかもしれません。
ここでは、にんじんの基礎知識や選び方、保存方法などをご紹介します。