目次
なすの基礎知識
スーパーで1年中見かけるなすですが、栄養素や旬の時期などを知れば、おいしい料理に生かしやすくなります。
なすの概要や栄養素、旬の時期といった基礎知識をご紹介します。
縁起物としても有名ななす
なすは、ナス科ナス属に分類される夏野菜の一種です。原産地はインドで、日本には奈良時代(710~794年)に中国から伝わり、江戸時代頃に広く栽培されるようになりました。
日本では1年で枯れてしまいますが、暑い地方では複数年にわたって生存する「多年生植物」にあたります。
その味から「中酸実(なかすみ)」と呼んでいたものが略された、「夏味(なつみ)」がなまって「なすび」になったなど、名前の由来は諸説あります。
名前が「成す」や「生す」を連想させることから、昔から縁起の良い植物として親しまれてきました。現在も、「一富士二鷹三茄子(なすび)」という言葉は、縁起の良い初夢を示す言葉として有名です。
また、長い間作られ続けてきたため、丸型や細長いものなど、日本各地で地域の気候風土に適した品種が数多く残っています。
含まれている栄養素は?
なすは可食部100g中90%以上が水分ですが、カリウムや葉酸、食物繊維といった栄養素も含まれています。※1 「ナスニン」と呼ばれる、抗酸化作用を持つポリフェノールが含まれているのも特徴です。※2
※1参照:文部科学省 「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
※2 厚生労働省e-ヘルスネット「抗酸化物質(こうさんかぶっしつ)」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-009.html
旬は夏頃
なすの旬の時期は、7~9月頃です。夏野菜の一種ですが、全国各地でハウス栽培が行われているので、年間を通してスーパーで見かけられます。
日本では、高知県や群馬県などが主な生産地として知られていて、品種によっては冬に旬を迎えることもあります。
新鮮でおいしいなすの選び方
なすを使っておいしい料理を作るには、新鮮なものを選ぶこともポイントです。新鮮ななすの特徴としては、以下の点が挙げられます。
新鮮ななすの特徴
・色が全体で均一に濃い
・切り口がみずみずしく、ヘタやガクがしっかりとしている
・皮の色が濃く、ハリとツヤがある
・(とげがある品種の場合)とげがしっかりと尖っている
なすの鮮度を保てる保存方法
水分量が多いなすは、非常に傷みやすい野菜でもあります。おいしさを保つためには、適切な方法で保存することも重要です。
なすの保存方法のポイントを、常温、冷蔵、冷凍の3パターンに分けてご紹介します。
常温保存する場合
なすは、低温や乾燥に弱い野菜です。涼しい時期は常温で保存し、早めに使い切りましょう。常温保存なら食感が損なわれにくいので、どのような調理方法でもおいしく食べることができます。
保存する際は、水分が逃げないように1個ずつラップで包み、風通しが良く直射日光の当たらない冷暗所に置いておきましょう。保存期間の目安は3日ほどです。
冷蔵保存する場合
暑い時期や、すぐに食べ切る予定がない場合は、冷蔵保存するのも良いでしょう。冷蔵庫の中でも温度が高めに設定されている、野菜室で保存するのがポイントです。
水気をキッチンペーパーで拭き取ってから1個ずつラップで包み、野菜室に立てて保存してください。冷えすぎを防ぐために、新聞紙で包むのも良いでしょう。
丸ごと冷蔵した場合、保存期間の目安は1週間ほどです。
1個丸ごとではなく、すでに切っているなすを冷蔵することもできます。
半分に切っている場合は、全体をラップで覆って野菜室に入れてください。輪切りや乱切りなどにしている場合は、水にさらして変色を防いでから、保存容器に移して冷蔵します。
ただし、切ったなすの保存期間の目安は2日ほどと、あまり日持ちしません。
冷凍保存する場合
長期間保存したい場合は、冷凍保存するのがおすすめです。丸ごとでも、カットした状態でも問題なく冷凍できます。冷凍した場合、保存期間の目安は1ヶ月ほどです。
冷凍保存の手順
1.水洗いしたなすのヘタを切り落とす
2.必要に応じて、食べやすい大きさにカットする
3.カットした場合は水に浸してアク抜きを行う
4.水気を拭き取ったらラップで包み、保存容器に移して冷凍庫で保存する
生のままではなく、加熱調理を済ませてから冷凍するのもおすすめです。電子レンジで解凍するだけで、すぐに食べることができます。生のまま冷凍した場合は、凍ったまま調理に使いましょう。
なすの冷凍や解凍方法については、以下の記事もご参照ください。
なすは冷凍保存して良い? おいしさが長持ちする保存のコツをご紹介
https://igc.co.jp/shop/pg/175
なすを使ったおすすめの定番料理
なすは、和食や洋食、中華など、幅広い料理で活躍する野菜です。焼きなすにして素材の味を楽しむだけでなく、スープや味噌汁の具材にするのも良いでしょう。浅漬けやサラダにしてもおいしく食べられます。
また、なすは油やお肉との相性が良いのも特徴です。素揚げにしたり、肉や厚揚げと炒めたりするのもおすすめです。
使い勝手の良さがなすの魅力
なすは、さまざまな使い方ができる便利な夏野菜です。水分が多く日持ちしにくいですが、正しい方法で保存すれば、おいしさを長持ちさせることができます。
ご紹介した特徴や選び方、保存の仕方を参考に、なすをおいしく活用してみてください。
なす(茄子)は、焼いたり、揚げたり、煮たりと、さまざまな料理でおいしく食べることができる夏野菜です。縁起物としても知られ、古くから親しまれています。
日頃から食卓に並ぶことも多い食材ですが、よりおいしく活用するために、選び方や保存方法といった知識を押さえておくことが大切です。
ここでは、なすの基礎知識や選び方、保存方法のポイントなどをご紹介します。