目次
むかごとは?
むかごは、全国的に流通量が多い食材ではありません。見たり、食べたりしたことがない方もいらっしゃるでしょう。
まずは、むかごがどのような食材なのかをご紹介します。
実でも種でもない「球芽」がむかご
むかご(零余子)とは、ナガイモやヤマトイモ、ジネンジョといったヤマノイモ(山芋)の葉の付け根にできる、球状の芽(球芽/肉芽)のことです。実や種ではありませんが、地面に落ちたむかごは新しい芽を出し、ヤマノイモとして成長します。
具体的には、茎の一部に養分がたまってできたものがむかごです。イモと同じ仕組みで作られており、味わいも似ているため、おいしく食べることができます。
また、オニユリやノビルといったヤマノイモ以外の植物もむかごを作りますが、全てのむかごが食用になるわけではありません。
むかごに含まれる栄養は?
成長するとイモになるむかごには、カリウム・鉄分といったミネラルをはじめ、食物繊維やアミノ酸など、豊富な栄養が含まれています。※
むかごは皮ごと食べられるので、栄養を余さずに摂取できるのが魅力です。
旬は秋頃
むかごの旬は9~11月の秋頃です。特に、完熟する10~11月頃はおいしく食べられるとされています。
また、むかごの主な産地は北海道や青森県、長野県など、ヤマノイモの栽培が行われている地域です。収穫量が多くないため流通量も少ないですが、産地の直売所やECサイト(ネットショップ)などで見かけることもあります。
旬の時期に出向いた時は、直売所を覗いてみてはいかがでしょうか。
新鮮なむかごの選び方
都市部だと、むかごを見かける機会は多くありません。何を基準に選べば良いのかわからない方もいらっしゃるでしょう。むかごを選ぶ時は、以下の点を確認することが大切です。
新鮮なむかごの特徴
・表面に皺がない
・ふっくらとハリがある
皮に皺の寄っているむかごは、乾燥しているので避けましょう。また、粒の大きさがそろっているものを選ぶと、調理時に均一に火を通しやすいので便利です。
むかごの保存方法のポイント
むかごは常温で放置するとすぐに乾燥してしまいます。一度に食べきれない時は、正しい方法で保存するのがおいしさを保つコツです。
むかごを保存する時のポイントを、冷蔵・冷凍の2通りに分けてご紹介します。
冷蔵する場合
むかごは、表面を洗ったら水気をしっかり拭き取り、キッチンペーパーで包んでから冷蔵庫に入れるのが基本です。カビが生える恐れがあるので、保存する前に水気は必ず拭き取ってください。
大量のむかごがある時は、おがくずの中に埋めて冷暗所で保存する方法もおすすめです。保存できる期間の目安は2週間ほどになります。
冷凍する場合
生のまま冷凍する際は、洗った後にしっかり水気を拭き取って、急速冷凍するのがポイントです。時間をかけずに冷凍したい時に便利ですが、保存できる期間は3週間ほどになります。
いずれの場合も、冷凍したむかごは凍ったまま加熱調理して食べられます。冷蔵したむかごより、若干長めに加熱すると良いでしょう。
また、塩茹でしてから冷凍したむかごは、電子レンジで加熱して食べることも可能です。
むかごのおすすめの食べ方は?
一般的なイモと異なり、むかごは皮を剥かずに使うのがおいしく食べるコツです。サイズが小さいうえに、加熱調理によって皮は柔らかくなるので、皮つきのままでも食感を気にせず食べられます。
自宅で食べる時は、むかごとお米を炊飯器で炊き込んで「むかごご飯」にするのがおすすめです。炒めたり、揚げたり、塩茹でしたりするのも良いでしょう。
食べる前の下処理は、基本的には表面を水洗いするだけで問題ありません。水洗いだけでは土くささが気になる時は、次の下処理を行ってください。
土くささが気になる時の下処理方法
1.水洗いしたむかごをザルに入れ、軽くこするように混ぜて余分な皮を取り除く
2.再び水洗いしてから水気をしっかり切る
この時、洗いすぎると風味が落ちる原因になります。汚れを落とす程度に優しく洗うことを心がけましょう。
秋ならではのおいしさを味わおう
むかごは、秋ならではの味覚のひとつです。とはいえ、出回る量が少ないためなかなかスーパーで見る機会はないかもしれません。むかごを見かけ際は、ご紹介した内容を参考に、ぜひ購入して味わってみてはいかがでしょうか。
「むかご」は、ホクホクした食感を楽しめる秋の味覚のひとつです。しかし、都市部のスーパーでは売られていないことも多く「いただいたものの、保存方法や食べ方がわからない」という方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、むかごの概要や保存方法、おいしい食べ方の例などをご紹介します。