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ゆり根の基礎知識
お正月しか食べる機会がなく、ゆり根がどのような食材なのかよく知らないという方もいらっしゃるでしょう。
まずは、ゆり根をおいしく調理する時に役立つ、旬や栄養といった基礎知識をご紹介します。
栽培に手間のかかる野菜
ゆり根(百合根)とは、オニユリ(鬼百合)やヤマユリ(山百合)といったユリ科の植物の鱗茎(塊になった球根)部分を指します。ユリ科の植物には毒を持つ品種もありますが、市販されている食用のゆり根に毒はありません。
花びらのように重なりあう形が「歳を重ねる」や「子孫繁栄」などを連想させることから、縁起物としてお正月料理に使われることも多い食材です。
また、ゆり根は栽培から店頭に並ぶまでに6年もの歳月を必要とします。毎年畑を変える、栽培後は7年ほど畑をあけておかないと植え付けできないなど、非常に手間のかかる野菜です。
旬は秋から冬頃
ゆり根は涼しい気候を好むため、生産量の大部分は北海道が占めています。一方で、消費量が多いのは関西地方です。
お正月料理に使われることからもわかりますが、12~2月の寒い時期が旬になります。
栄養価の高さも魅力
薬膳料理に使われることもあるほど、栄養価に優れているのもゆり根の特徴です。具体的には、食物繊維やカリウム、マグネシウム、リン、葉酸といった栄養素が含まれています。※
特に、カリウムは野菜の中でもトップクラスの含有量を誇ります。
新鮮でおいしいゆり根の選び方
ゆり根をおいしく食べるには、新鮮なものを選ぶことが大切です。新鮮なゆり根の特徴をご紹介するので、スーパーなどで購入する時の参考になさってください。
新鮮なゆり根の特徴
・全体的に色が白い
・鱗片にハリがあり、硬くしまっている
・根が長く伸びていない
おがくずに入って売られているものの方が、鮮度を保ちやすくなります。表面が紫色っぽくなっているものは、苦みが強いことがあるため注意が必要です。
ゆり根の上手な保存方法は?
乾燥に弱い、傷つきやすいなど、ゆり根は非常に繊細な野菜です。おいしさを長持ちさせるには、正しい方法で上手に保存することが求められます。
保存する際は、以下のポイントを意識することが大切です。
冷蔵する場合
ゆり根は、おがくずに入っているかどうかで保存方法や保存できる期間が異なります。
おがくずに入っているゆり根は、洗わずにおがくずに埋めたまま、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。この方法だと、1カ月ほど鮮度を保つことができます。
定期的に霧吹きを行い、乾燥を防ぐのがおいしさを保つポイントです。
むき出しのゆり根は、新聞紙に包んでから冷蔵庫に入れておきましょう。保存期間の目安は1~2週間ほどです。
また、既に洗ってしまったゆり根は、冷たい水にさらして冷蔵すると、4日程度おいしさを保てます。
冷凍する場合
使い切れずに余ってしまったゆり根は、冷凍するのがおすすめです。一度使ったゆり根は日持ちしませんが、冷凍なら1カ月ほど鮮度を保てます。定期的に霧吹きする手間がかからない点も、冷凍するメリットです。
冷凍したい時は、硬めに茹でたり、蒸したりしてから、ラップに包んで冷凍庫に入れておきます。使い方が決まっている時は、裏ごししてから冷凍すると、冷凍庫内の場所を取らず便利です。
冷凍したゆり根を使いたい時は、凍ったまま加熱調理してください。電子レンジを使って解凍すると品質が落ちやすいので、基本的には避けた方が良いでしょう。
使う前に下処理をしておこう
ゆり根は、重なっている鱗片を剥がしてから調理を行います。水洗いしておがくずや汚れを落としたら、鱗片を外側から1枚ずつ剥がしていきましょう。バラバラにしてから再び水洗いを行い、変色している部分を包丁で切り落としたら、下処理は完了です。
下処理を済ませたゆり根は、茹でたり、炒めたり、煮たりと、さまざまな調理方法で楽しむことができます。ホクホクした食感を楽しみたい方は、ホイル焼きや素揚げにしてみてはいかがでしょうか。
お味噌汁や茶わん蒸しの具にして、ゆり根のほのかな甘みを楽しむのもおすすめです。
使用する際は、長時間の加熱を控えることもポイントです。火を通し過ぎると、食感が悪くなったり、形が崩れたりする原因になります。
さまざまな方法でゆり根を楽しもう
お正月料理のイメージが強いが、ゆり根は炒め物や煮物、汁物など、さまざまな方法で楽しめる野菜です。
傷みやすい食材でもあるため、定期的におがくずに霧吹きを行うなど、正しい方法で保存を行いましょう。手間をかけずに長持ちさせたい時は、冷凍保存するのもおすすめです。
ご紹介した内容を参考に、栄養豊富なゆり根をお正月以外にも味わってみてはいかがでしょうか。
おせち料理や精進料理など、さまざまな用途で使われているゆり根。ホクホクした食感が魅力のおいしい食材ですが、あまりなじみがないというご家庭も多いかもしれません。
ここでは、選び方や保存方法、おすすめの使い方など、ゆり根を調理する時に役立つ情報をご紹介します。