目次
大根の基礎知識
おでんやお漬け物、煮物など、さまざまな方法でおいしく食べられるのが大根の魅力です。より大根を楽しむために、栄養や品種ごとの違い、旬などを覚えておきましょう。
和食に欠かせない食材のひとつ
大根は、アブラナ科ダイコン属に属する野菜です。葉は緑黄色野菜、根は単色野菜に分類されます。原産地は地中海沿岸や中央アジアなどで、古代エジプトではピラミッド建築に携わった人たちに食べ物として支給されていました。
現存する日本最古の書物である『古事記』や『日本書紀』などに記載があることから、日本には奈良時代に伝わっていたと考えられています。
現代のように「だいこん」と呼ぶようになったのは室町時代(14~16世紀頃)以降のことで、それまでは「おおね」と呼ばれていました。
大根は可食部100g中94gほどが水分ですが、カリウムやビタミンC、葉酸といった栄養素を含んでいます。葉にもビタミンやミネラルが豊富に含まれているので、捨てずに食べるのがおすすめです。※
※参照:文部科学省 「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html
全国各地にある「ご当地大根」
大根には100種類以上の品種があるとされていて、日本の全国各地で「ご当地大根」が栽培されています。代表的な大根の品種と特徴は、以下のとおりです。
青首大根
スーパーでよく見る大根は、青首大根と呼ばれる品種です。名前のとおり、根の上の部分が緑色をしています。
白首大根
神奈川県の三浦大根や東京都の練馬大根など、日本では古くから栽培されてきた品種で、根が全て白色なのが特徴です。辛みが強く歯応えも硬いので、主にお漬け物に使われます。
聖護院大根
かぶのような丸い見た目が特徴の京野菜です。煮崩れしにくいので、煮物に適しています。
桜島大根
鹿児島県桜島の火山灰地で栽培される、世界最大の大きさを誇る大根です。甘みがあり、生食や煮込み料理にするとおいしく食べられます。
辛味大根
辛みが強い大根の総称で、辛みを生かせる大根おろしにして使うのが一般的です。
ラディッシュ
赤い見た目をしており、サラダの彩りなどに使われることが多い品種です。3週間程度で収穫できることから、二十日大根とも呼ばれます。
多く出回る季節は冬
品種にもよりますが、国内でよく見る青首大根が多く出回るのは冬です。1年間通してスーパーで購入できるのは、季節ごとに産地や品種を変えて生産されていることが理由に挙げられます。
旬を迎えた冬の大根は、甘みが強く、水分量も多いのが特徴です。サラダにするなど、そのままでもおいしく食べることができます。
一方で、春や夏に出回る大根は辛みが強くなるので、大根おろしや炒め物などにして食べるのがおすすめです。
大根の選び方のポイント
鮮度の良い大根はおいしく食べられるだけでなく、長期保存にも向きます。大根を購入する際は、できるだけ新鮮なものを選ぶのがおすすめです。
鮮度の良い大根の特徴をご紹介するので、選ぶ際にお役立てください。
鮮度の良い大根の特徴
・表面に傷がなく、全体にはりと艶がある
・ひげ根が少ない
・葉が青々としていて、みずみずしい(葉付きの場合)
しなびていたり、ひげ根が黒く変色したりしている大根は、鮮度が落ちているので避けましょう。
また、カットされた状態で売られているときは、断面のきめが細かく、空洞がないものを選ぶのがポイントです。
大根を長持ちさせる保存方法
サイズの大きな大根だと、新鮮なものを選んでも、使い切る前に傷んでしまう可能性があります。大根のおいしさを長持ちさせるために、保存方法のコツも覚えておくと便利です。
冷蔵保存のコツ
大根を葉付きのまま保存すると、葉が根の水分を吸ってしまいます。葉付きの大根は、葉を切り落して別々に保存するのが基本です。
葉を切り落した大根を1本丸ごと冷蔵する場合は、キッチンペーパーや新聞紙などで包んでから、冷蔵庫に入れて保存してください。
そのまま冷蔵庫に入れるのが難しい場合は、半分にカットしてから冷蔵すると良いでしょう。乾燥を防ぐために、ラップでしっかりと包んでから冷蔵庫に入れるのがポイントです。
冷蔵した大根の保存期間の目安は、1週間~10日程度になります。
冷凍保存のコツ
すぐに使い切れない際は、冷凍保存するのもおすすめです。保存期間を1ヶ月ほどに延ばせるうえに、冷凍によって繊維が壊れて味も染み込みやすくなります。
生のまま使いやすい大きさにカットしてからラップで包み、保存容器に入れて冷凍するのが、大根の冷凍保存の基本です。味を染み込ませたい時は、調味液に漬けた状態で冷凍するのも良いでしょう。
また、大根おろしにしてから冷凍するのも、冷凍庫から取り出してすぐに食べられるので便利です。
ただし、冷凍した大根は水分が抜けるので、食感や風味が変わってしまいます。食感を楽しむ料理ではなく、おでんや煮物に使うのがおすすめです。
大根の冷凍保存や解凍方法の詳細については、以下の記事も併せてご確認ください。
⇒冷凍保存で大根を無駄なく使いきろう! 具体的な手順をご紹介
https://igc.co.jp/shop/pg/161/
大根のおすすめ調理法
大根は、部位によって味や食感が異なります。おいしく食べたい方は、部位ごとの特徴を料理に生かすことを心がけましょう。
葉に近い部分は、辛みが少なく甘みが強いため、サラダなどの生食に適しています。食感は硬めなので、千切りや薄切りにして食べやすくするのがポイントです。
中央部分は、甘みが強く食感も柔らかいのが特徴です。ふろふき大根やおでんなど、大きめにカットして大根そのものを味わう料理に使うと良いでしょう。
先端に近い部分は、筋が多く辛みも強くなります。大根おろしやお漬け物といった用途で使うのがおすすめです。
また、大根は皮や葉もおいしく食べることができます。皮はきんぴらや浅漬け、葉は細かく刻んで炒め物にしてみてはいかがでしょうか。
サラダから煮物まで、いろいろな料理で大根を楽しもう
大根は、サラダや煮物、お漬け物など、さまざまな料理で使うことができる野菜です。一般的に使用するのは根の部分ですが、葉も炒め物などにしておいしく食べられます。
ビタミンやミネラルといった栄養が豊富に含まれているので、捨てずに料理に使うのがおすすめです。
ただし、大根は保存方法を間違えると、すぐに劣化してしまいます。おいしく食べるには、新鮮なものを選んだり、正しい方法で保存したりすることが大切です。
ご紹介した内容を参考に、大根をおいしく楽しんでみてください。
春の七草の「すずしろ」としても知られていて、古くから日本人に親しまれてきた大根。食卓に欠かせない野菜のひとつですが、旬や保存方法をご存じない方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、大根の旬や栄養素といった基礎知識に加えて、上手な選び方や保存方法、部位ごとのおすすめの調理法などをご紹介します。