里芋ってどんな食材?
身近な食材の里芋ですが、名前の由来や栄養素、旬などをご存じない方もいらっしゃるでしょう。ここでは、料理にも生かせる、里芋の豆知識をご紹介します。
実は歴史が古い里芋
里芋は、東南アジアの熱帯地域が原産地の野菜です。日本には、稲作が始まる前の縄文時代に伝わったといわれています。山で採れる「山芋(自然薯)」に対して、里で採れることが里芋という名前の由来です。
江戸時代頃は「芋」といえば、里芋のことを指していたとされるほどポピュラーな食材だったそうです。1つの親芋を囲むように子芋や孫芋が育つことから、豊作や子孫繁栄を象徴する縁起物としても親しまれてきました。
また、里芋と一口にいっても、土垂(どだれ)やえび芋など、さまざまな品種が育てられています。土垂は子芋と孫芋が、えび芋は親芋から孫芋まで全てが食用になるなど、品種によって食べる部分が異なる点も特徴です。
栄養素としては、でんぷんなどの炭水化物の他、カリウムやタンパク質、食物繊維などを含んでいます。※1
※1参照:文部科学省 「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
里芋の旬はいつ?
里芋は保存性が高く、1年間を通してスーパーで見かける野菜ですが、一般的には秋から冬が旬の時期とされています。品種によっては、初夏から秋にかけて旬を迎える場合もありますが、12月頃が特に流通量が多くなります。※2
※2参照:東京都中央卸売市場「市場統計情報(月報・年報)」
https://www.shijou.metro.tokyo.lg.jp/torihiki/geppo/
新鮮な里芋の選び方
スーパーなどで、新鮮でおいしい里芋を選びたい場合は、以下の点を確認するようにしましょう。
新鮮な里芋の特徴
・皮が乾燥しておらず、しっとりと湿っている
・皮の縞模様が等間隔で、くっきり見える
・全体が丸く太っている
・おしりの部分が硬くしまっている
表面の土を洗ってある里芋は、鮮度が落ちやすく長持ちしません。風味が落ちている場合もあるので、泥付きのまま売られているものを選ぶのがおすすめです。
里芋を上手に保存する方法
里芋は比較的保存性に優れた野菜ですが、熱帯地域が原産なので、乾燥と寒さに弱いです。長持ちさせたい場合は、保存方法に注意する必要があります。
里芋を長持ちさせるポイントをご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
常温保存
泥付きの里芋は、常温で1ヶ月ほど保存することができます。洗わずに泥が付いた状態のまま新聞紙やキッチンペーパーで包み、段ボールや紙袋に入れて、直射日光が当たらない風通しの良い場所で保存しましょう。
土の中に埋めておけば春まで保存できるので、庭に土がある場合は試してみるのもおすすめです。
冷蔵保存
泥を洗った状態で売られているものは、鮮度が落ちやすく長持ちしません。洗ってしまった場合や、気温・湿度が高い夏場、常温保存できる場所がない場合などは、冷蔵保存を活用すると良いでしょう。
里芋の冷蔵保存の手順は、以下のとおりです。
里芋の冷蔵方法
1.洗ってある場合は、水気をしっかりと拭き取る
2.新聞紙やキッチンペーパーで包む
3.ポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存する
冷蔵の場合、保存期間の目安は1~2週間ほどです。常温保存ほど日持ちしないので、早めに使い切ることを心がけましょう。
冷凍保存
里芋は、冷凍しても食感や風味が変わりにくい食材です。長持ちさせたい場合は、冷蔵保存ではなく冷凍保存を活用してみてはいかがでしょうか。
冷凍することで、皮が簡単にむけるようになったり、味が染み込みやすくなったりするのもメリットです。
皮ごと冷凍した場合、約1ヶ月保存することができます。生のまま冷凍できますが、茹でてから冷凍しても問題ありません。
事前に下茹でしておくことで、調理の時短につながります。
冷凍した里芋を煮物にしたり、味噌汁に入れたりする場合は、解凍せずにそのまま使うことができます。皮付きのまま冷凍した場合は、電子レンジで加熱して解凍すると、皮がむきやすくなって便利です。
里芋の冷凍や解凍のコツは、以下のページで詳しくご紹介しているので、併せてご確認ください。
⇒里芋の食感を保って冷凍する方法は? 手順や解凍のコツも解説
https://igc.co.jp/shop/pg/191/
里芋のおすすめの食べ方
里芋は、さまざまな料理にして楽しむことができます。煮っころがしにしたり、けんちん汁や味噌汁に加えたりするのが定番の食べ方です。コロッケのタネやポテトサラダに加えて、ねっとりした食感を生かしても、おいしく食べることができます。
マヨネーズとの相性が良いので、サラダに加えるのもおすすめです。
また、里芋を塩もみしてから水洗いすると、ぬめりを取ることができます。里芋の皮をむく際にぬめりが気になる方は試してみてください。
里芋の食感を料理に生かそう
里芋は、独特のぬめりとホクホクした食感が魅力の食材です。1年間通して出回っていますが、多くの品種は秋から冬にかけて旬を迎えます。おいしい里芋を食べたい方は、旬の時期を覚えておくと便利です。
また、基本的には常温保存できますが、高温多湿の環境や直射日光を避ける必要があるなど、少し手間がかかります。手軽に保存したい場合は、冷凍保存を活用するのもおすすめです。
ご紹介した内容を参考に、里芋をさまざまな料理に活用してみてはいかがでしょうか。
ねっとりとした食感が特徴の里芋。お正月のおせち料理や煮物の定番として、古くから親しまれています。日本の食卓に欠かせない身近な食材のひとつですが、旬や栄養素などをご存じない方は多いかもしれません。
ここでは、里芋の歴史や名前の由来、選び方のポイント、保存方法などをご紹介します。