冬野菜を食べて寒い冬を乗り切ろう！ おすすめの冬野菜や選び方のコツ

植物の育つ印象は少ない冬ですが、冬に旬を迎える「冬野菜」はたくさんあります。寒い時期に備えて細胞に糖を蓄えるので、甘みのある野菜が多いのが特徴です。
鍋料理や煮物、汁物によく合う野菜を食卓に取り入れれば、温かい料理でおいしく寒さを乗り切ることができます。
ここでは、代表的な冬野菜の種類や選び方、保存方法のコツをご紹介します。冬野菜をよりおいしく食べる、参考にしてみてはいかがでしょうか。

れんこんは漢字で「蓮根」と書きます。蓮の地下茎のことで、複数の穴があいているのが特徴です。向こう側を見通せることから「将来の見通しが良い」という縁起を担ぎ、おせち料理や精進料理によく使われます。
調理方法によって、さまざまな食感を楽しめるのがれんこんの魅力です。すりおろして加熱するとモチモチした食感に、乱切りにしてゆっくり加熱するとホクホクした食感に、薄くスライスするとシャキシャキした食感になります。
皮を剥いて切った後は酢水につけておくと、変色を防ぐことができます。

1年中売られている野菜ですが、旬は冬です。冬の大根は他の時期よりも甘みが増しているとされ、大根おろしやサラダ、漬け物、おでん、鍋など、さまざまな料理で活躍します。
全国各地でさまざまな品種が作られていますが、一般的によく見かけるのは、葉に近い部分が青い「青首大根」です。
葉に近い部分は甘く、先に近い部分は辛みが強くなるとされています。

11～2月頃に旬を迎える、代表的な冬野菜です。みずみずしくあっさりとした味わいで、鍋やスープ、炒め物、サラダ、漬け物など、さまざまな料理でおいしく食べることができます。
また、白菜は部位ごとに味わいや食感が異なるため、料理に応じて使い分けるのがポイントです。
固めの外側は炒め物に、やわらかく甘みのある内側はサラダや鍋料理に適しています。芯の部分も、鍋やスープなど、火を通す料理に使うのがおすすめです。

地中海沿岸が原産のケールから派生した野菜です。グラタンやサラダ、スープなど、幅広い料理に使うことができます。
火を通しすぎると風味や食感が落ちるため、加熱は短時間で済ませるのがポイントです。茹でるのではなく、炒めたり、電子レンジで加熱したりすると、栄養が流れ出るのを防げます。
また、日頃食べる機会が多いのはブロッコリーの花蕾（からい、つぼみのこと）の部分ですが、茎も食べられます。皮を剥いてから塩茹でしたり、炒め物にしたりして食べてみてはいかがでしょうか。

春になると菊に似た黄色い花が咲くのが、春菊という名前の由来とされています。関西では「菊菜」とも呼ばれます。地中海沿岸が原産地とされ、欧米では観賞用の植物として親しまれていました。
春菊の特徴的な苦みは、加熱しすぎると増してしまいます。鍋料理に使う時は、他の食材よりも後に入れる、食べる前に食べる分だけ入れるなど、加熱を短時間で済ませる工夫を行いましょう。

1年間手に入りやすい野菜ですが、冬は甘みが増していて、おいしく食べることができます。日本各地に在来種が存在し、80種類以上の品種があるとされています。
また、煮たり焼いたり、漬け物にしたりと、調理方法に応じて食感や甘みが変化するのが特徴です。煮崩れしやすいので、煮物やスープに使う場合は、ゆっくり加熱するのがポイントです。
皮や葉もおいしく食べることができるので、料理に活用してみてはいかがでしょうか。

長ねぎは、根元の白い部分を食べる「根深ねぎ（白ねぎ）」と、葉の部分を食べる「葉ねぎ」に大きく分けることができます。一般的に「長ねぎ」といった場合は根深ねぎを指します。
火を通すと甘みが増すので、焼いたり、煮たりして食べるのがおすすめです。

スーパーなどで1年中見かけますが、ほうれん草も冬が旬の野菜です。冬の寒さに当てて栽培したものは甘みが増し、おいしく食べられます。
西洋種と東洋種という品種がありますが、現在は2つを交配した一代雑種と呼ばれるものが主流です。
ほうれん草はアクが強いため、下茹でしてから使うのが一般的です。熱湯で茹でたら冷水に入れて冷まし、水気をしっかり絞りましょう。

江戸時代の文献にも記載されている、伝統的な京野菜の一種です。水と土だけで作られていたのが名前の由来で、関東では「京菜」と呼ばれることもあります。
シャキシャキした食感と、癖のない味わいが魅力です。肉や魚の臭みを消せるため鍋料理に使われることが多いですが、サラダにしてもおいしく食べられます。

冬から春にかけて出回り、春の訪れを告げる野菜としても有名です。厳密には「菜の花」という植物は存在せず、アブラナ科の花を総称して菜の花と呼びます。
独特の香りとほろ苦い味わいが特徴で、おひたしや炒め物など、さまざまな料理でおいしく食べられます。花を咲かせる前のつぼみを食すので、栄養も豊富です。

江戸時代に小松川（現在の東京都江戸川区）で栽培されていたことが名前の由来です。現在も、東京都で多く栽培されています。
1年中見かける野菜ですが、旬は12～2月の寒い季節です。寒さにさらされることで葉肉が厚くなり、柔らかさや甘みも増します。
アクが少ない野菜なので、下茹でせずにそのまま食べることも可能です。

冬野菜をよりさまざまな方法で楽しみたい方は、家庭菜園にチャレンジしてみるのもおすすめです。自宅に庭がない方でも、品種によってはプランターで育てることができます。
寒い日が続く冬の家庭菜園は、種まきや植え付けのタイミングが大切です。タイミングが遅くなると、その後の成長にも影響を及ぼしてしまいます。
また、冬は他の時期に比べて日照時間が短いです。日当たりの良い場所で野菜を育てるようにしましょう。小松菜や小かぶ、リーフレタス、白菜といった野菜は初心者の方でも比較的育てやすいので、試してみてはいかがでしょうか。

冬野菜は甘みがあるものが多く、おいしく食べられるのが魅力です。鍋やスープなどと相性が良いので、温かい料理で暖を取りながら、栄養もしっかり摂ることができます。
ご紹介した選び方や保存方法で、冬野菜をおいしく活用してみてはいかがでしょうか。